お尻の痛み、脚の痺れ、50代の女性を襲う坐骨神経痛とは?

お尻の痛み、脚の痺れ、50代の女性を襲う坐骨神経痛とは?

日本人の腰痛人口は推定3000万人。

10人に3人は、腰に痛みを抱えていることになります。

しかし中には、腰だけでなくお尻や脚にまで痺れや痛みが出て、歩くこともままならないほど深刻なものもあります。

これが「坐骨神経痛」で、腰痛患者の半数が坐骨神経痛を併発しているそうです。

それほど患者数が多いにもかかわらず、坐骨神経痛の実態はあまり知られていないのが実情。

今回は、坐骨神経痛はなぜ起こるのか、その原因を徹底解明し、医療機関の治療法と共に、家庭でできる効果的な緩和・改善法をご紹介していきます。

特に40代後半からの女性は、骨密度や筋力の低下により、坐骨神経痛の発症が高くなるので必見です。

坐骨神経痛とは

坐骨神経は、腰椎の4番、5番、仙椎の1番、2番、3番から出て、お尻や太ももを通って足先まで伸びている神経で、体の中で最も太くて長い末梢神経です。

この坐骨神経が、通り道のどこかで物理的な圧迫や障害を受けることで起こる、様々な症状を総称して「坐骨神経痛」と呼んでいます。

坐骨神経痛の症状

坐骨神経痛は、最初に腰に痛みが出ることから腰痛と混同されがち。

しかし腰痛と違うのは、「腰からお尻、太もも、ふくらはぎ、すね、足と広範囲にわたって」痛みや痺れが出ることで、症状も次のように多岐にわたります。

  • 脚の付け根、尾てい骨周辺に痛みや痺れが出る
  • お尻の筋肉が凝って痺れる
  • 太ももや下肢に、冷えを伴った引きつれが起こる
  • 腰をひねったり、屈んだり後ろに反ったりすると痛みが強くなる
  • しばらく歩くと、痛みで動けなくなることもある
  • 足に力が入らない
  • 排尿や排便の異常

また一口に痛み、痺れといっても、その感じ方はジンジン、チクチク、ピリピリ、または電気のように走る激痛だったり、コリやだるさや脱力感だったりと、人によって様々です。

症状が出るのは、ほとんどが体の左右どちらかですが、まれに両側に起こることもあり、痛みがひどくなると睡眠障害や歩行困難に至ることもあります。

このように日常生活にも支障も来たす坐骨神経痛は、なぜ起こるのでしょうか。

坐骨神経痛の原因

坐骨神経痛の原因

坐骨神経痛を引き起こす坐骨神経の圧迫は、次のような背骨(脊柱)の病気が原因で起こります。

・腰椎椎間板ヘルニア

背骨は、椎骨という骨と、椎骨と椎骨の間でクッションとして働く椎間板が連なって、構成されています。

椎骨のうちでも坐骨神経が出ている腰椎や仙椎は、上半身の体重が最もかかる場所。

そのため圧力で椎間板がはみ出し、坐骨神経を圧迫するようになるのです。

椎間板ヘルニアは若い年代にも多く、特に腰に負担がかかる作業が多い人、座り仕事の人、スポーツをする人がなりやすいといわれています。

・腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症は老化が主な要因であり、中高年に多く発症します。

脊柱管とは、背骨の後ろ側についている神経が通っている管のこと。
背骨は加齢によって変形しやすく、そのため脊柱管が狭くなり、神経を圧迫するようになるのです。

腰部脊柱管狭窄症では、「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」という特徴的な症状が見られます。

間欠性跛行とは、歩くだけで痛みが出て動けなくなる、しかし少し休むと再び歩けるようになるという症状です。

また腰部脊柱管狭窄症では、排尿や排便を司る神経まで圧迫される場合があり、尿漏れや便秘など「排尿・排便障害」が起こることもあります。

・腰椎変性すべり症

背骨の関節や椎間板などの変性が原因で、腰椎の骨の一部が前にずれ、神経を圧迫して起こる病気です。

中高年の女性に多いことから、女性ホルモンの減少による骨粗しょう症が原因ではないかと考えられています。

・梨状筋症候群

坐骨神経痛は、レントゲンやMRI検査、脊髄造影検査などでも背骨に異常が発見されず、原因が特定できないものがあります。

実は坐骨神経痛で最も多いのが、この背骨に原因が見当たらない「症候性坐骨神経痛」だそうで、その一つとされるのが「梨状筋症候群」です。

梨状筋(りじょうきん)とは、お尻の筋肉群の奥にある深層筋で、お尻のエクボ辺りにあります。

注目したいのは、梨状筋の真下、人によってはど真ん中を坐骨神経が走っていることで、このため梨状筋の異常はたちまち坐骨神経に影響を与えるのです。

運動不足や長時間の座り仕事が多い生活をしていると、使われなくなったお尻の筋肉は衰え、凝り固まっていきます。

そうすると奥にある梨状筋が圧迫されて固くなり、さらにその下にある坐骨神経も圧迫されるようになり、坐骨神経痛が起こるというわけです。

つまり背骨ではなく、お尻の筋肉が原因で起こる坐骨神経痛が梨状筋症候群なのです。

驚くことに、梨状筋症候群は坐骨神経痛の90%を占めるといわれ、さらに女性の梨状筋症候群の患者は男性の6倍!

梨状筋が原因の坐骨神経痛が、いかに多いかが分ります。

他にも、脊椎の腫瘍や感染症、妊娠、冷えによるもの、ストレスなどの心因性のものなど、坐骨神経痛は様々な要因で起こることがあるので、治療を考える時に素人判断は禁物です。

坐骨神経痛の治療法

整形外科などの医療機関での坐骨神経痛の治療は、原因や症状の程度に関わらず最優先されるのが、次のような方法で症状を緩和することです。

薬物療法

消炎鎮痛薬や筋緊張弛緩剤、血管拡張剤などで痛みを緩和。

ブロック療法

神経やその周囲に局所麻酔薬を注射し、神経に痛みが伝わるのをブロック。

脊髄刺激療法

脊髄を微弱電流で刺激し、脊髄から脳に痛みが伝わるのを抑制。

理学療法

理学療法

赤外線やマイクロ波、温湿布による温熱療法や、コルセットや骨盤牽引、ストレッチ、マッサージなど、物理的方法を組み合わせて痛みを緩和。

以上の治療法で効果が見られなかったり、症状があまりに酷い場合は、外科手術が必要になることもあります。

手術療法

坐骨神経痛の外科手術は、症状に合わせて次のような方法がとられます。

  • 神経を圧迫している原因を除去する
  • 神経そのものを治療する

いずれも背骨という非常に重要な部分の手術ですから、信頼のできる医療機関を選び、医師の説明に十分納得できてから受けることが大切です。

しかし手術で良くなっても、坐骨神経痛は再発することも多く、手術は重症化した場合の最後の手段と捉える人が多いようです。

また、次のような自分でできる治療・緩和法もありますが、行うのは症状が軽い場合のみにしましょう。

温める

坐骨神経痛の痛みは、冷えて血流が悪化するとさらに強まります。

それは、血流が悪くなると筋肉が酸欠状態になり、その危機状態に対して、体がブラジキニンという痛み物質を増やすから。

ブラジキニンは、血管拡張作用によって酸素供給を増やす一方で、神経の受容体を刺激して痛みを増長させてしまうのです。

炎症のある急性の痛みには禁物ですが、慢性的な痛みの場合は、入浴や温湿布、ホッカイロなどで温めて血行を促進するのが効果的です。

ストレッチ

痛みが酷くない時は、次のようなストレッチもおすすめ。

固まった筋肉の緊張を緩め、筋力を強めて腰周辺の負担を減らす効果があります。

・腸腰筋のストレッチ

腸腰筋とは、腰椎と大腿骨を結ぶ筋肉群のことで、腰椎と股関節を支える重要な働きがあります。

1. 仰向けに寝て、両手で片方の膝を抱える。
2. 抱えた膝を胸に引きつけ、10~30秒キープ。
3. 左右両方行う。

伸ばした方の脚の付け根の筋肉が、しっかり伸びていることを確認しながら行いましょう。

・ハムストリングスのストレッチ

ハムストリングスは太もも裏側にある筋肉群で、坐骨神経痛ではここが固くなっています。

1. 床に脚を伸ばして座り、痛いほうの脚を開く。
2. もう一方の脚を曲げ、足の裏を開いた脚の太ももにつける。
3. 開いた脚の方にゆっくり上半身を倒し、10~30秒キープ。

ポイントは、伸ばした脚の太ももと膝の裏がしっかり伸びていること。

次に、梨状筋症候群による坐骨神経痛に効果的なストレッチをご紹介します。

・梨状筋のストレッチ

固くなった梨状筋がほぐれ、痛みが取れると評価の高い、簡単1分間ストレッチです。

1. 仰向けに寝て、膝を立てる。
2. 症状のある方の脚を倒しながら、なるべく膝を床に近づける。
3. 倒した脚の足首を、反対側の足で押さえて3秒キープ。
4. 力を抜いて10秒間休み、元に戻す。

以上を2回行いますが、脚を倒して痛みが出る時は、無理をしないようにしましょう。

ポイントは、腰が浮かないようにすることと、10秒間休憩時のリラックス感をじっくり味わうことです。

坐骨神経痛はまず整形外科へ

坐骨神経痛は、原因に合わせた治療法が基本です。

坐骨神経痛が疑われても、その症状が本当に坐骨神経からくるものなのか、また原因は何なのか、自己診断は難しいもの。

まずは整形外科を受診し、セルフトレーニングをする場合も医師と相談の上、医師による治療と並行して行う、または症状が改善してきてから行うようにしましょう。

まとめ

50代の女性は、女性ホルモンが減少することもあり、次のような坐骨神経痛のリスクを背負っています。

  • 骨密度の減少
  • 筋力の低下
  • 運動不足

運動不足はさらなる筋力の低下を招き、筋力の低下は姿勢の悪さも引き起こします。

坐骨神経痛の原因はいくつもありますが、いずれも根本にあるのは「老化」だったり、「運動不足」や「腰椎に負担のかかる姿勢」といった日常生活。

坐骨神経痛かな?と思ったら早めに医療機関を訪ね、症状にあった治療と共に、食事や運動、姿勢などの普段の心がけも非常に大切なのです。

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