50代に急増!「過活動膀胱」の原因と自力で改善する方法

50代に急増!「過活動膀胱」の原因と自力で改善する方法

女性の3~4人に1人は経験しているという「尿漏れ」。

尿漏れは寒い冬がピークかと思いきや、尿漏れで泌尿器科を受診する女性は、春が最も多いのだそうです。

その理由は花粉症。

頻発する大きなくしゃみで、つい尿が漏れてしまうというわけです。

特に50代から急増する尿漏れに「過活動膀胱」がありますが、このタイプの尿漏れは、トイレまで間に合わないほどの切迫性があり、心理的にも辛くて深刻です。

そこで今回は、女性が尿漏れになりやすい理由と、尿漏れの原因を解明すると共に、病院ではどういう治療を行うのかお伝えしていきます。

併せて、「過活動膀胱」にお悩みの50代女性のために、自力で尿漏れを克服する方法を詳しくご紹介したいと思います。

女性のQOLを低下させる尿トラブル

近年よく耳にする言葉に「QOL」があります。

QOL=quality of life、つまり生活の質という意味で、人生は今や単なる長生きではなく、人間らしく快適に長生きすることが大きなテーマとなっているのです。

しかし尿トラブルが頻繁になると、日常生活が制約されるだけでなく、精神的にも負担がかかり、QOLを大きく低下させます。

尿トラブルは歳のせいと放置せず、一刻も早く改善したいものです。

そのために、まず排尿はどのようにして行われるのか、その仕組みを見てみましょう。

排尿の仕組み

泌尿器の中でも排尿に関わるのが膀胱と尿道で、それぞれ次のような仕組みになっています。

・膀胱

尿を溜めておく袋状の臓器で、内側は「排尿筋」という、非常に伸縮性の高い平滑筋で覆われています。

排尿筋は尿が溜まってくると大きく伸び、このため膀胱は風船のように膨らみ、尿を保持することができるのです。

・尿道

膀胱の下に繋がる尿道は、膀胱が尿を溜めている最中は締まり、膀胱が一杯になったら緩むようになっています。

この尿道の開け閉めをしているのが、骨盤底にある「骨盤底筋」。

骨盤底筋は、尿道括約筋や肛門挙筋など4つの筋肉で構成されており、骨盤内にある子宮や卵巣、腸、膀胱を支えるほかに、尿道や肛門を締める働きもしています。

膀胱が尿を漏らさずに溜めることができるのは、骨盤底筋が尿道を引き締めているからなのです。

・排尿の流れ

尿は腎臓で作られ、尿管を通って膀胱に入り、尿道を通って排泄されます。

膀胱に尿が一定量溜まると、それをキャッチした脳から、膀胱に「尿を出しなさい」という指令が出されます(これが尿意です)。

そうすると、膀胱の排尿筋が収縮し、骨盤底筋が緩んで尿道が開き、尿が排泄されるというわけです。

一般には、紙コップ1杯分(150~250ml)くらいの尿が溜まると尿意を感じますが、300~400mlまでは排尿を我慢できるの通常です。

女性に尿トラブルが多い理由

男性に比べ、女性は次の理由から尿トラブルが起こりやすいといわれています。

・出産

出産の際には骨盤が大きく開きますが、それと共に骨盤底筋も強く引き伸ばされ、そのダメージが出産後も十分回復しないことがあります。

そこに加齢という要素が加わるため、さらに骨盤底筋が衰えて尿道の引き締め力が低下し、尿が漏れやすくなるのです。

・膀胱が圧迫されやすい

女性は膀胱に密接して子宮や膣があるため、膀胱が圧迫されやすくなります。

・尿道が短い

尿道は、男性と女性では形状と長さが違います。

男性の尿道はS字状にカーブして長い(14~27cm)のに対し、女性の場合は下に真っ直ぐ伸びており、長さもわずか3~5cmしかありません。

このため、尿がすぐ出てしまうわけです。

また女性に膀胱炎が多いのも、尿道が短いために、侵入した細菌が容易に膀胱に到達してしまうからです。

膀胱炎を繰り返すと膀胱が敏感となり、過活動膀胱に繋がることもあります。

・女性ホルモンの影響

更年期以降に尿トラブルが増えるのは、女性ホルモンが減少することで、尿道が硬くなることも理由の一つです。

尿トラブルのタイプ別原因と治療法

尿漏れにもタイプがあり、それぞれ症状や原因に違いがあります。

尿トラブルの症状と原因

尿トラブルの症状と原因

尿漏れは、身体機能の低下(歩行障害によりトイレに間に合わないなど)や認知症によるもの以外に、主に次の3タイプに分けられます。

・腹圧性尿失禁

物を持ち上げたり、くしゃみをしたり笑ったりした際に、腹圧で膀胱が押され尿が漏れてしまうもの。

尿漏れの半数以上がこのタイプで、主な原因は「骨盤底筋の緩み」といわれています。

・切迫性尿失禁(過活動膀胱)

一般に「過活動膀胱」といわれるもので、冷たいものや水に触った時に、突然強い尿意が起こり、我慢できなくなるのが特徴。

原因は、その名の通り「膀胱の活動が過剰」になること。

そのため、膀胱の筋肉が勝手に収縮し、尿を押し出してしまうのです。

主な原因として挙げられているのが、「膀胱の柔軟性の低下」。

膀胱の筋肉も、加齢と共に細く弱くなっていきます。

さらに冷えや運動不足で血流が停滞するようになると、酸素や栄養不足から筋肉はより衰え、硬くなっていきます。

そうすると膀胱が膨らまなくなるため、尿が少し溜まっただけでも脳が膀胱が一杯になったと判断し、排尿の指令を出してしまうというわけです。

・溢流性(いつりゅうせい)尿失禁

溢流(あふれて流れる)の言葉通り、水がコップから溢れるように、尿が少しずつ漏れ出す症状で、外部の刺激や尿意がなくても起こるのが特徴です。

原因は「骨盤底筋の緩み」といわれていますが、中でも近年クローズアップされているのが「骨盤臓器脱」。

骨盤臓器脱とは、骨盤底筋が緩むことで、骨盤内の膀胱や子宮、直腸などが垂れ下がり、膣壁と共に外に出てしまう症状です。

特に骨盤臓器脱の6割を占めるのが、膀胱が出る膀胱瘤というもので、その多くに尿漏れや頻尿が見られます。

日本ではまだデータが出ていませんが、欧米では出産経験者の3~4割の人に骨盤臓器脱の症状が認められるそうです。

病院を受診しにくい疾患でもあることから、実際の患者数はそれ以上に上ると考えられます。

尿トラブルの病院での治療

頻尿や尿漏れは、治療法も近年大幅に進歩し、泌尿器科などの専門医に相談することで、現在では治る病気となっています。

病院では、尿漏れのタイプを診断した上で、投薬や、骨盤底筋の緩みを改善する磁気治療、低周波治療などを行ったり、場合によっては手術による治療が行われます。

・腹圧性尿失禁

最も多く行われる手術治療が、メッシュテープを挿入して緩んだ尿道を支えるというもの。

この手術法は、手術時間も短い上に術後2~3日で退院でき、改善率も90%と高いことから、尿トラブルの手術治療の主流となっています。

・切迫性尿失禁

「抗コリン薬」の投与で、膀胱の過剰な活動を抑える治療が一般的です。

排尿時に膀胱が縮み、尿道が広がるのは、副交感神経の働きによるもので、この時に副交感神経に作用するのが、神経伝達物質のアセチルコリンです。

そこで「抗コリン薬」によってアセチルコリンを阻害すれば、副交感神経が働かず、排尿を抑えることができるというわけです。

・溢流性尿失禁

骨盤臓器脱では、リング状の装具で下がった膀胱を元の位置に戻す保存療法のほか、メッシュテープを使った手術療法が行われます。

過活動膀胱をヨガで克服する

以上のように、尿トラブルの改善は病院での診断・治療を受けるのが近道ですが、自力でかなり回復できたケースも少なくありません。

ここでは、3タイプの尿トラブルのうちでも、切迫性がある分、より深刻な「過活動膀胱」を取り上げ、自分でできる改善法をご紹介します。

過活動膀胱には抗コリン薬の治療がありますが、便秘や口が渇くなどの副作用や、認知症リスクへの懸念の声も気になるところです。

そこで、自分で健康的に改善する方法としておすすめしたいのが、ヨガなのです。

ヨガが過活動膀胱に効く理由

ヨガが過活動膀胱に効く理由

ヨガは、「膀胱を柔軟にする」と共に、「骨盤底筋の緩みを改善する」のに効果的です。

ヨガの深い呼吸は、横隔膜を大きく動かし、骨盤内の臓器の血流を活発にするからです。

そのため膀胱にも酸素と栄養が行き渡り、冷えも改善されるため、硬くなった筋肉がほぐれて膀胱が柔軟になってきます。

さらに横隔膜の上下動に連動し、骨盤底筋が動きます。

特に、息を吐き出す時に肛門を締めるように意識することで、骨盤底筋が引き上げられ、締まってくるのです。

過活動膀胱に効く3つのポーズ

ヨガにはいくつもの流派があり、ポーズも無数にありますが、過活動膀胱に効果的といわれるのが次の3つ。

・股割りのポーズ

背すじを伸ばして立った状態から始めます。

1. 両足を肩幅の2倍に広げ、外股に開く。
2. 手のひらを下にして両手を前に伸ばし、肩の高さまで上げる。
3. 大きく息を吸う。
4. 息を吐き出しながら、4秒かけて限界まで腰を落としていく。
5. 次に息を吸いながら、4秒かけて元の姿勢に戻る。

以上を5回繰り返します。

腰を落とす時は、背すじを真っ直ぐに保ったまま、膝頭が爪先より前に出ないようにしましょう。

・かかしのポーズ

背すじを伸ばし、両足を揃えて立ちます。

1. 両手を横に大きく広げる。
2. 左足の内側に重心をかけ、右足を伸ばしたまま横に上げる。
3. お尻を引き締めながら、30秒間(慣れたら60秒)片足立ちをする。

反対側の足も同様に行い、左右を各2回ずつ。

・カエルのポーズ

仰向けに寝た姿勢で行います。

1. 足は少し開いて伸ばし、手は手のひらを下にして横に伸ばす。
2. 全身の力を抜き、息を吸う。
3. 膝を曲げて両足の裏を合わせる。
4. 息を吐きながら、足の裏を合わせたまま両足を引き上げ、できるだけ上半身に近づける。
5. 息を吸いながら、元の姿勢に戻る。

以上を5回行います。

ヨガを行う上で最も大切なのが「呼吸」。
お腹を膨らませながら鼻から息を吸い、凹ませながら口から息を吐く、という深い呼吸を守りましょう。

より効果を高めるには、体が温まり筋肉が柔らかくなっている「入浴後」がおすすめ。

また各ポーズの終わりには、次の「安らぎのポーズ」を行うことが重要です。

・安らぎのポーズ

死んだように全身を脱力させることから、別名を「屍(しかばね)のポーズ」といいます。

1. 仰向けに寝て、足は骨盤の幅に開き、手は手のひらを上にして脇に伸ばす。
2. 目を閉じ、顎は少し上げて口角が緩むようにする。
3. ゆっくり呼吸をしながら、全身の力が抜けていくのを感じる。

安らぎのポーズによって全身の筋肉が緩み、血流がより良くなり、筋肉の修復や再生が効果的に行われます。

ただしヨガは、効果が出るまで2、3ヶ月は続ける必要があります。

体の細胞が入れ替わるのに、それだけの時間がかかるからです。

時間をかけて、体が自らの力で確実に変わってくるのがヨガなのです。

まとめ

高齢化が進む現在、過活動膀胱の患者数は1000万人以上という予測もあります。

尿漏れは自然に治るものではなく、放置すると悪化するケースがほとんどなので、早めの対処が大切です。

最終的には進化した手術治療に頼ることもできますが、その前におすすめしたいのが、自力で克服する努力をしてみること。

骨盤底筋体操でなかなか改善されなかったという方も、3つのヨガのポーズを実践し、トイレを気にしない快適な毎日を取り戻してはいかがでしょうか。

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