怒りは病気と老化のもと!怒りの毒素から身を守る方法とは

怒りは病気と老化のもと!怒りの毒素から身を守る方法とは

歳をとると、人間が丸くなって穏やかになるといいます。

しかし逆に、怒りっぽくなった、キレやすくなったという高齢者は少なくなく、その傾向は中高年にも及んでいます。

怒ると血圧が上がるとか、早死にするとかいいますが、怒りは健康に悪いだけでなく、肌の老化とも無関係ではないのです。

果たして、怒りは私たちにどんな悪影響をもたらし、なぜ現代は怒りっぽい人が増えているのでしょうか。

そして、我慢できない怒りは、一体どうすれば解消できるのでしょうか。

今日は、怒りと健康の関係と、怒りの上手な対処法を徹底解説いたします。

怒りの弊害

人間は感情の動物。
怒ると体に悪いと分かっていても、怒りの種があれば、人はたいてい反応してしまいます。

怒りを爆発させてしまうと、周囲が嫌な思いをするだけでなく、本人も後で自己嫌悪や後悔に襲われ、辛いものです。
それがさらにイライラを募らせ、怒りの悪循環を引き起こします。

かといって怒りを抑圧すると、怒りの感情はどんどん溜まっていき、やがては自分自身を傷つけることになります。

では、怒りの感情は、実際にどれだけ健康に悪影響を与えるのでしょうか。

1. 血液、血管への影響

怒りによってまず影響を受けるのは、血液です。

怒りは交感神経を活発化し、副腎からアドレナリンを分泌させます。

アドレナリンは、興奮を引き起こす覚醒系のホルモンですが、血液に対しては血小板を凝集させる作用があり、このため血液が粘っこくなります。

こうして血管に血栓ができやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まるのです。

疫学的研究においても、怒りを溜めやすい人は高血圧のリスクが1.5倍に、心臓発作にいたっては8.5倍も高まると報告されています。

2. 肌への影響

さらに交感神経は抹消の毛細血管を収縮させるので、肌の血流が悪くなって肌細胞の再生が遅くなり、乾燥肌やシミ・シワなど、肌老化を促進することになります。

アメリカのオハイオ大学の研究によると、怒りレベルが高い人は、低い人と比べて火傷の回復が圧倒的に遅いそうです。

怒ってばかりいると、ただでさえ眉間にシワが寄って口角が下がり、嫌な顔になりますが、そればかりでなく、肌まで美しさを損ねることになるのです。

3. 肝臓への影響

怒った時に分泌されるホルモンは、アドレナリンのほかにも様々あり、その一つがカテコールアミンです。

カテコールアミンは血糖値を高めるほか、脂肪の分解を促進する働きがありますが、それによって血中に遊離脂肪酸が急増します。

遊離脂肪酸は本来、エネルギー源として活用されるものですが、大量になると細胞膜を溶かし、細胞を破壊するという強い毒性を発揮します。

中でも特にこの毒性に晒されるのが、直接遊離脂肪酸を取り込む肝臓なのです。

また、過剰な遊離脂肪酸はシミの原因にもなります。

怒ると顔が赤くなりますが、この時の血液には遊離脂肪酸がたくさん含まれており、毒素が炎症を引き起こして色素沈着の原因になってしまうのです。

4. 胃腸への影響

交感神経が活発化すると、胃腸の血流が減少して働きが低下。
腸内環境も悪くなり、食欲不振や胃もたれ、便秘を引き起こします。

5. 免疫への影響

免疫の主体となる白血球は、自律神経の交感神経と副交感神経がバランスよく働くことで力を発揮します。

怒ると自律神経は交感神経に偏るため、免疫力の低下を招き、ウィルス感染やがんに罹りやすくなるのです。

6. 活性酸素の弊害

交感神経が活発に働くことで、体は酸素の消費量が増え、活性酸素が大量に生まれることになります。

活性酸素は、病気や老化の最大の要因。
怒ると早死にするというのは、決して大げさではないのです。

現代人が怒りやすくなっている原因

現代人が怒りやすくなっている原因

このように私たちは、怒ることで想像以上に体を傷つけていることが分かります。

中でも多くの悪さをするのがアドレナリンですが、しかしアドレナリンは本来、人間の命を守るためにあるものです。

人類を原始時代まで遡ると、そこでの私たちの祖先の生活は、生きるため獲物との闘いの日々でした。

そこで必要とされるのが「闘争」と「逃走」の能力であり、その力を生むもとになるのが、体を奮い立たせるアドレナリンだったのです。

アドレナリンが毛細血管を収縮させるのは、末端の血流を減らし、その分筋肉の血流を増やして、力強く戦い、すばやく逃げられるようにするため。

また、アドレナリンが血小板を凝集させるのは、闘って傷ついた時に、早くかさぶたを作って血を止めやすくするため。

しかし、命がけで闘う必要のない現代は、せっかくのアドレナリンの働きが仇になっているというわけです。

悪いことに、キレる若者、キレる高齢者というように、世代を問わず怒りやすくなっているのが現代人です。

現代にキレやすい人が増えているのには、一体どんな背景があるのでしょうか。

・多忙

物事が思い通りにいかないと人は怒りを感じるものですが、現代はそんな怒りの種がたくさんあります。

中でも大きな要因は、忙しさで生活にゆとりが持てないこと。

人材不足といわれる昨今は、個々人の仕事量は増える一方です。
仕事のほかに子育てや介護を抱えている人も多く、職場でも家庭でもゆとりがなくなり、ストレスを溜める人が増えているのです。

・利便性の発達

何もかもが便利になった現代生活では、ちょっとした不便さにも不満を感じるようになります。

たとえば電車が止まったり、携帯が繋がらなくなったり、当たり前と思っていたことが少しでも齟齬をきたすと、イライラや怒りに繋がってしまうのです。

・価値観の多様化

人それぞれ価値観は違うものの、これまではある程度、同じ価値観が共有される時代でした。

しかし現代は違う価値観を主張できる自由な時代となり、自分の「~すべき」や「~であるべき」が通用しないことが増えています。

たとえば、「目上の人には敬語を使う」という当たり前のマナーも、世代によっては通用しないこともあります。

自分が信じてきた価値観を覆されると、人は不満を感じ、それが怒りになってしまうのです。

・低血糖になりやすい食生活

現代人の食生活は、インスタント食品やスナック菓子、清涼飲料水といった糖質過多が問題になっています。

糖質の多い食事を摂ると、血糖値が急上昇し、それを下げるためにインスリンが大量に分泌。

そうすると、今度は血糖値が急降下して低血糖状態になるため、脳は血糖値を上げようとアドレナリンを分泌させます。
お腹がすくとイライラして怒りやすくなるのは、このためです。

特に空腹感が強くなるのは、血糖値が急激に下がった時。

その状態でどっと食べてしまうと、血糖値が急上昇、そして次には急降下するという悪循環になり、常にアドレナリンいっぱいの状態になってしまいます。

現代人は「低血糖になりやすい=怒りやすい」というわけです。

怒りの解消方法

喜怒哀楽の中でも、怒りはマイナス感情である上に、攻撃性を持つ点でやっかいな感情です。

しかし怒りを生みやすい環境の中で暮らしている以上は、怒りを感じるなといっても無理な話。

大切なのは、怒らないことを目指すのではなく、怒りという感情に振り回されず、いかにコントロールするかなのです。

それには、どのような方法があるのでしょうか。

深呼吸

深い呼吸は、交感神経の興奮を鎮めます。

抑えきれない怒りを感じたら、横隔膜を意識して5~6回ゆっくり深呼吸をする癖をつけましょう。

寝転がる

仰向けに寝ると、脳は攻撃する体勢ではないと判断し、リラックスモードになるそうです。

怒りを発散する

怒りは爆発させることより、むしろ抑圧することのほうが良くありません。

抑圧は怒りの感情を持ち続けることになり、怒りの悪影響が長引くだけですし、さらに抑え込むことで怒りのエネルギーが膨らみ、別のきっかけで結局爆発することにもなります。

怒りの感情は、次のような方法で、上手に発散してしまうことが大切です。

・体を動かす

体を動かす

最も効果的なのは、イライラや怒りのエネルギーを運動のエネルギーに転換することです。

運動する時間がない人は、その場ダッシュや掃除・片付けに集中するだけでも、気持ちをスッキリさせる効果があります。

・人に話を聞いてもらう

話すことは、それ自体が発散になり、さらに相手に理解・共感してもらうことで、心が落ち着きます。

ただし逆効果にならないよう、話す相手を選ぶことが大切です。

怒りの解消法として、「お酒で発散する」、「さっさと寝て忘れる」というものもありますが、これは発散にはなりません。

酔っている間は怒りを忘れていても、それはアルコールで脳が麻痺しているだけで、怒りの記憶がなくなったわけではないのです。

また、脳は睡眠中に記憶を定着させるので、怒りを発散させないまま寝てしまうと、怒りの記憶が根付いてしまうことになります。

怒りを反芻しない

怒りやすい人は、怒った後でそのことを思い出し、そのたびにまた腹を立てるという悪循環を繰り返すといいます。

これでは怒りの記憶は消える間がありません。

怒りの反芻を防ぐには、怒っている自分を客観視してみること。
そうすると、怒りの感情から意識を引き離すことができ、物事を冷静に考えられるようになります。

それには「筆記開示法」、つまり「日記に書くこと」が効果的です。

怒ったら、その日の寝る前に日記に書き出してみます。
文字にすると気持ちが整理整頓され、自分の感情が客観的に見られるようになるのです。

楽天的に考える

責任感の強い人、完璧主義の人はストレスを溜めやすく、ゆとりがなくなって怒りやすくなります。

たくさん持っている「~べき」を少し減らし、いい意味で「人は人、自分は自分」と考えるようにすると、気持ちが楽になります。

まとめ

まとめ

怒りの心を仏教では「しんい」といい、108の煩悩の中でも最も恐ろしい「三毒」の一つとされています。
怒ると早死にするというのは、仏教的にも本当なのです。

しかし怒りは、出してはいけないものでも抑えるべきものでもなく、上手に発散することが最良の対処法です。

適度な運動で汗をかく、気心の知れた人に話を聞いてもらう、日記に書き出してみる、そして何より重要なのは、「べき思考」をゆるめて気持ちにゆとりを持たせること。

怒りに振り回されない自分を取り戻す…、それは心と体が健康になると共に、人間関係や生活の質を高めることにもなるのです!

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