その一杯が老化を加速させる!アルコールで肌がたるむ、脳が縮む!?

その一杯が老化を加速させる!アルコールで肌がたるむ、脳が縮む!?

日本酒が美味しい季節になりました。

秋から冬にかけては、「寒造り」といって,、日本酒造りに最適な時季です。

秋はまた、前年の寒造りがひと夏熟成され、「秋上がり」という旨みの濃いお酒となって出回る時季でもあります。

肌寒くなる秋の夜は、日本酒でほっこり温まりたくなりますね。

しかしご存知でしょうか、つい重ねてしまうその一杯が、シワやたるみのもとになっていることを。

実はお酒は、「老ける毒」とまでいわれるアンチエイジングの敵なのです。

そこで今回のテーマは、神代の時代から人類が愛してやまない「お酒」について。

意外と知らない、飲み過ぎが体に悪い理由を徹底解説し、さらにアルコールと老化の関係を詳しくお伝えします。

アルコールの弊害

21世紀は女性の時代といわれますが、それはお酒にも現れています。

この半世紀の飲酒率を見ると、男性はほとんど変わらないのに、お酒を飲む女性の数は50年前の4倍、ある時期などは男性の飲酒率を上回るほどの増え方です。

お酒は昔から「百薬の長」といわれますし、実際に次のような効用もあります。

  • 緊張をほぐしてストレスや不眠を解消する
  • 血行を良くする
  • 胃液の分泌を促進して消化を助ける
  • 人間関係を円滑にする

その一方で、お酒について回るのが「肝臓に悪い」ということ。

果たしてお酒は、毒?薬?…一体どちらなのでしょうか。

お酒は百薬の長ではあるが…

厚労省では「節度ある適度な飲酒」の量として、1日当たり純アルコール20g程度を挙げています。

純アルコール20gというのは、日本酒に換算すると1合、ビールなら中ジョッキ1杯、ワインならグラス2杯、焼酎なら0.6合。

飲酒量と死亡リスクの関係を調べた結果では、全くお酒を飲まない人の死亡リスクを1.0とすると、日本酒を3合以上飲む人は、死亡率が1.3にまで上昇することが判明しています。

しかし、飲酒量が2合になると死亡率は0.85に、さらに1合では0.8に低下することも分かっています。
お酒は、1合2合ほどの量なら、むしろ死亡リスクを下げるのです。

アルコールには、毛細血管を拡張する作用があります。
ですから適量であれば、血行を促進することで、動脈硬化の予防など健康に良い効果が得られるわけです。

このように、ほどほどのお酒は確かに百薬の長なのですが、では適量を超えてしまうと、体にはどんな悪影響があるのでしょうか。

飲み過ぎとアセトアルデヒド

飲み過ぎとアセトアルデヒド

お酒を飲むと、体内でアルコールから「アセトアルデヒド」という物質ができます。

お酒は体に悪いといわれるのも、お酒に強い人・弱い人がいるのも、このアセトアルデヒドが深く関係しているのです。

1. お酒に強い人、弱い人

口から入ったアルコールは、胃腸で吸収された後、血液に入って肝臓に到達し、次のように分解処理されます。

第一段階:「アルコール脱水素酵素(ADH)」によってアルコールが分解され、アセトアルデヒドという物質に変換。

第二段階:アセトアルデヒドが「アルデヒド脱水素酵素(ALDH)」によって分解され、酢酸となります。

酢酸は血液に入って全身を巡ったあと、無害な水と二酸化炭素になって体外へ排出されます。

このように、アルコールの分解処理には、

  • アルコールを分解する酵素(ADH)
  • アセトアルデヒドを分解する酵素(ALDH)

という二つの酵素が必要ですが、これら酵素の能力は遺伝子で各人決まっています。

お酒に強い人というのは、ALDHの活性が強い、つまりアセトアルデヒドの分解能力が高い人であり、白色人種や黒色人種は、ほとんどの人が該当するそうです。

しかし、黄色人種のアジア人はALDHの活性が弱い人が多く、特に日本人は半数近くが弱く、ALDHが全くない人も4%存在します。

日本人はもともと体質的にアルコールに弱く、注意が必要なのです。

2. 悪酔いはアセトアルデヒドの仕業

活性が強い酵素であっても、その能力には限りがあります。

ですから、どんなにお酒に強い人でも、アルコールの量が増え続けると、処理し切れないアセトアルデヒドが血液に乗り、全身に回ることになるのです。

アセトアルデヒドには血行促進など良い作用もあるのですが、いわゆる悪酔いの原因物質でもあります。

顔が真っ赤になったり、頭痛や動悸、嘔吐が起こったり、またアセトアルデヒドが脳に入り込むと、理性を司る大脳真皮質が麻痺し、一方で本能や感情を司る大脳辺縁系が活発化します。

その結果、喜怒哀楽が激しくなったり、時には理性を失って人格まで変わってしまうことも。

さらに酔いが進むと知覚や運動神経が鈍麻し、意識が朦朧となったり歩行が困難になったり、ついには呼吸中枢が侵されて呼吸停止になることもあります。

3. アルコールの発がん性

そして、アルコールが本当に怖いのは、長期摂取によりがんリスクが高まることです。

・活性酸素と過酸化水素
アルコールは適度な量であっても、肝臓で分解される過程で「活性酸素」が発生します。

さらに長期にわたって飲酒していると、体はそれに対応すべく、アルコールの代謝能力をどんどん高めていきます。

そうすると活性酸素の量もどんどん増え、活性酸素はさらに「過酸化水素(H2O2)」という強力な酸化物質を生み出すようになるのです。

活性酸素や過酸化水素は細胞のDNAを損傷し、がんの発症に繋がります。

お酒に強い人ほど、飲む量も回数も増えやすくなり、がんリスクは高まることになります。

・アルコールに起因するがん

飲酒が主な原因とされるがんというと、口腔、咽喉、喉頭、食道、肝臓、結腸、直腸、乳房のがんが有名です。

特に「食道がん」は、アルコールとの因果関係が世界的に確実視されており、飲酒経験のある人の食道がんリスクは、ない人に比べて3.3倍高いことも確認されています。

そしてアルコールの処理を一手に引き受ける肝臓は、やはりがんリスクは高まることになります。

では、「乳がん」はアルコールとどういう関係があるのでしょうか。

実は、アルコールには体内の女性ホルモン「エストロゲン」を増やす作用があります。

そして、乳がんのがん細胞の増殖には、エストロゲンが深く関係しているのです。

では、閉経を迎える50代は安心かというと、そうはいきません。

閉経すると卵巣が作るエストロゲンはなくなりますが、その替わりに、量は少ないながら脂肪組織からもエストロゲンが作り出されるからです。

忘れてはいけないのは、乳がん発症のピークは40代、50代の閉経前後の年代だということ。

やはり50代の飲酒は、くれぐれも、ほどほどにしたいものです。

アルコールと老化

アルコールと老化

さらに、アルコールは老化にも大きく関わっています。
アルコールは、老化の二代要因とされる「酸化」と「糖化」を促進するからです。

酸化

ご紹介したように、飲酒は活性酸素を大量に生み出し、さらに飲酒が長期にわたると、肝臓では活性酸素から過酸化水素が生まれるようになります。

過酸化水素はいわば活性酸素の強力版で、血液に乗って全身を巡り、細胞を酸化損傷し、老化を加速することになるのです。

マウス実験では、アルコールを摂取したマウスの血中の過酸化水素濃度は、アルコールなしのマウスの1.5倍という結果が出ています。

糖化

糖化とは、余分な糖がたんぱく質と結びつき、たんぱく質を変性させてしまうこと。

具体的には、糖のカルボニル基とたんぱく質のアミノ基が化学反応を起こし、さらに複雑な過程を経て、AGEs(糖化最終生成物)という悪玉物質を生み出します。

AGEsにはたんぱく質どうしを硬く結合する作用があり、組織のたんぱく質を硬化・変性させてしまうのです。

女性が気になるシワ・たるみも、コラーゲンの糖化が大きな原因の一つといわれています。

私たちの体は、水分を除くと半分はたんぱく質ですから、糖化は皮膚、筋肉、骨、血管、臓器など、全身を劣化させることになります。

その結果、動脈硬化や糖尿病、腎機能低下、骨粗しょう症、白内障など、様々な病気や老化に繋がっていくのです。

アルコールには、糖化を促進する作用があります。

アルコールからできるアセトアルデヒドはカルボニル基を持っており、糖と同様にたんぱく質と反応し、AGEsの生成を進めてしまうのです。

飲むほどにアセトアルデヒドがたくさんでき、糖化が加速するというわけで、実際に、飲酒頻度が高い人ほど、AGEsの体内蓄積が多いというデータも出ています。

アルコールは脳を破壊する!?

飲み過ぎによる脳への影響は、脳機能の麻痺による酔っ払い症状にとどまらず、長い間には脳の萎縮を引き起こします。

脳の神経細胞は、情報のやり取りをするために、「樹状突起」と「軸策」という二つの突起を持っています。

アルコールはこの突起にダメージを与え、そのため情報伝達がうまくできなくなって、記憶・判断・理解などの能力が低下してしまうのです。

幸いなことに、樹状突起の損傷は、十分な禁酒期間をとれば回復可能だそうです。

しかし大量飲酒が続くと、回復できないうちにダメージが蓄積していき、神経細胞にも悪影響が及ぶことになります。

また、飲み過ぎが毎日続くと神経細胞の破壊が進み、脳波に異常が出たり、脳の一部が萎縮することも確認されています。

特に萎縮リスクが高まるのが海馬で、最新の研究では、日常的な大量飲酒では、飲まない場合に比べ5.8倍の萎縮があったそうです。

脳は加齢により誰でも萎縮していきますが、過剰飲酒は萎縮を加速させます。

早々と認知症にならないために、お酒を飲むなら適量飲酒を守り、定期的に休肝日を設けるようにしましょう。

まとめ

まとめ

お酒を飲む女性が増えたとはいえ、女性は本来、男性よりアルコールには弱いといわれます。

それは、女性ホルモンのエストロゲンに、肝臓のアルコール分解処理を遅らせる作用があるからです。

そのため、少ない酒量でもアセトアルデヒドが体内に長く残り、肝臓を悪くしたり、短期間でアルコール依存症に陥る危険性が、男性より高くなるのです。

たとえ更年期になってエストロゲンの影響が薄れても、今度はアルコールに強くなるために酒量が増え、老化のリスクを高めてしまいます。

女性は年代に関係なく、お酒は心して飲む必要があるのです。

月見酒、雪見酒、花見酒…、日本は飲酒も自然と一体化しています。
適量を心がけ、風情のあるお酒を楽しみながら、健康と若さを維持したいものです。

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