腸活の新常識!健康の決め手は善玉悪玉より腸内細菌の多様性だった

腸活の新常識!健康の決め手は善玉悪玉より腸内細菌の多様性だった

便秘は万病のもと。

腸内環境の悪化は、肥満や生活習慣病など、様々な病気の原因になるといわれています。

さらには、現代人に増えているうつ病や認知症まで引き起こすことが、最近の研究で指摘されています。
腸の状態は、心や脳の健康にも深く関係しているのです。

この頃、以前のようにテキパキ行動できなくなった、物忘れが増えた、気分が落ち込む、そして便秘がちという人は、もしかすると腸に原因があるのかもしれません。

そこで今回のテーマは、第二の脳ともいわれる腸と健康について。

まず、腸の知られざる特殊性と、脳との関係性に迫り、次に、腸の働きの鍵を握る「腸内細菌」について徹底解明したいと思います。

そして、腸活を新たな視点で見直し、健康な腸を作る最も効果的な方法をご紹介します。

腸と脳の関係

「健康は腸が作る」といわれます。

「腸は最大の免疫器官」、「腸は第二の脳」といわれるように、腸は単なる消化器官ではなく、免疫や脳の働きに重要な関わりを持っているからです。

腸は消化吸収を行う小腸と、便を作る大腸で成り立っていますが、小腸は免疫細胞の7割が集中していることから、早くから重要視されてきました。

それに対し、排泄が仕事の大腸はあまり関心を持たれず、その重要性が注目され出したのは、近年になってからのことです。

脳から独立している唯一の器官

体の中で最も重要な器官というと、全身の司令塔である脳だと考えている人は多いのではないでしょうか。

確かに、世界のほとんどの国では、人間の死亡の判断基準を脳死としています。

しかし、人間が誕生する時に一番最初に作られるのは、脳ではなく「腸」だそうです。

腸はそれだけ重要な器官ということであり、さらにいえば、かなり特殊な器官でもあります。

というのも、全身の組織や器官のほとんどが脳の指令によって働く中で、唯一腸だけは自分の判断で働いているからです。

腸は、脳とは独立した神経細胞のネットワークを持ち、自分で消化吸収や排便という仕事を行っているのです。

脂肪の消化に必要な胆汁も、腸が自分で肝臓に働きかけ、分泌させています。

脳腸相関

一方で腸は脳とも繋がっており、自律神経や迷走神経を介して情報のやり取りを行っています。

強いストレスを受けると腹痛や下痢、便秘を起こすことがありますが、それは、脳が感じた不安や緊張が、自律神経を通じて大腸に伝わるからです。

逆に、腸が脳に働きかけることもあります。
たとえば、毒物や腐敗した食べ物が口に入ると、腸は瞬時に脳の嘔吐中枢に情報を伝達し、吐くことで危険を回避させようとするのです。

さらに有害物が腸に入ってくると、腸は今度は自分の判断で大量の分泌液を出し、下痢として排出します。

このように腸は、脳に匹敵する機能を有し、またその神経細胞も脳に次ぐ数を持っています。
これが「腸は第二の脳」といわれる所以です。

また、脳と腸は双方向的に情報伝達をし、互いに影響を及ぼし合っていることから、この関係性を「脳腸相関」と呼んでいます。

そして、この脳腸相関に大きく関わっているのが、「腸内細菌」の存在なのです。

腸内細菌の重要性

腸内細菌の重要性

腸には、600~1000兆個ともいわれる腸内細菌が棲んでいます。
腸内細菌は特に大腸に多く、その理想的なバランスは、善玉菌が2割、悪玉菌が1割、日和見菌が7割。

しかし、加齢や食生活、薬の服用、ストレスなどで善玉菌が減って悪玉菌が増えると、様々な病気に繋がるといわれています。

つまり、「病気予防には、善玉菌が多い腸内環境を作ることが大切」というわけです。

大腸がんに代表されるように、大腸に病気が起こりやすいのも、細菌の棲みかであることが大きく関係しているのです。

腸内細菌とうつの関係

さらに近年とみに増えている「うつ病」にも、腸内細菌が深く関わっていることが分かってきました。

うつ病では、幸せホルモンの「セロトニン」が不足している人が多いそうです。

セロトニンが不足すると、ストレスに弱くなって精神が不安定となり、不安や抑うつ感が強まります。

ホルモンは脳で作られるものと思われがちですが、実はセロトニンは95%は腸で作られ、脳内で作られるセロトニンはほんのわずかなのです。

セロトニンは、アミノ酸の「トリプトファン」に「ビタミンB6」が働いて合成されますが、その合成に関わっているのが「腸内細菌」です。

しかし現代人は腸内細菌が減ってきており、それにつれてセロトニンも減少しています。

現代人の腸内細菌減少の原因は、食生活の変化による食物繊維不足にあります。

食物繊維は腸内細菌のエサになるため、食物繊維不足は腸内細菌を減らし、セロトニン不足、そしてうつ病を引き起こすというわけです。

実際に、腸の善玉菌が少ない人は、うつ病になるリスクが高いことが明らかになっています。

ヤクルトの研究でも、うつ病患者の腸内のビフィズス菌の量は、健康な人の3分の1に低下していることが確認されているのです。

腸内細菌と認知症

もう一つ、中高年が気になる「認知症」にも、腸内細菌が深く関係していることが分かってきました。

腸には、3500種類以上ともいわれる多様な腸内細菌が棲んでいます。

しかし、年齢が高くなるほど腸内細菌の多様性が失われていき、特にアルツハイマー型認知症に、その傾向が顕著であることが判明しているのです。

2017年の『サイエンティフィック・リポーツ』には、アルツハイマー型認知症の人は、同世代の健康な人より腸内細菌の種類が少ないという論文が発表されています。

少し難しい話になりますが、腸内細菌は善玉菌、悪玉菌という分類のほかに、アクチノバクテリア門やフィルミキュテス門、バクテロイデス門といった、遺伝子の違いによる大きな分類があります。

そして、フィルミキュテス門には多くの善玉菌や悪玉菌が、バクテロイデス門には主に日和見菌が、というように各門に様々な細菌が含まれているのです。

人間の腸内細菌は、赤ちゃんの頃はアクチノバクテリア門に属する菌が多く、大人になるにつれ、バクテロイデス門の菌が多数を占めるようになります。

アルツハイマー型認知症では、フィルミキュテス門やアクチノバクテリア門の菌が少なくなる一方で、バクテロイデス門の菌が顕著に多いことが分かっています。

つまりアルツハイマー型認知症では、全ての菌が一様に減るのではなく、種類によって増えるものも減るものもあり、腸内細菌のバランスが非常に偏っているのです。

さらにバクテロイデス門の菌の数は、アルツハイマー型認知症の原因とされる、タウやアミロイドβの量に相関性があることも判明しています。

腸と健康の関係では、これまでは善玉菌・悪玉菌ばかりが論じられてきましたが、このような視点での腸内細菌の研究は始まったばかりです。

そのため腸内細菌の偏りが、アルツハイマー型認知症lの発症に具体的にどのように関わっているのかは、まだ解明に至っていません。

しかし腸内細菌の多様性が、脳の健康に非常に大切なことは確かなようです。

腸内細菌の多様性には食事が大切

真の腸活とは、善玉菌だけを増やせばよいというものではなく、多様な腸内細菌がバランスよく存在する腸を作ることです。

様々な種類の腸内細菌がいれば、腸内で起こる様々な状況に対応が可能になり、効率的に健康を守ることができるというわけです。

それにはやはり、腸が取り込む食べ物が重要であり、特に「食物繊維の摂取」が要となります。

食物繊維豊富な食事

食物繊維豊富な食事

食物繊維の少ない食生活をしている人は、腸内細菌の多様性が乏しくなる傾向があることが、ある研究で分かっています。

様々な種類の腸内細菌を育てるのは、やはり、腸内細菌のエサとなる食物繊維なのです。

つい最近、100歳以上の長寿者が6万9000人余りと、過去最多になったことが報じられました。

今、長寿といわれる70歳以上の方々は、粗食を余儀なくされた時代に幼少期を過ごしています。

食物繊維の豊富な麦や雑穀、野菜の常食により、良好な腸内環境の基礎作りができたことが、長寿に繋がっていると考えられるのです。

現在はどうでしょう。
精白された食品に肉や脂肪過多の食事、野菜不足、何よりお米の消費量がこの50年ほどで半減しています。

健康な腸が育っていない現在の若者が、果たして長寿大国日本の今後を受け継いでいけるのか、疑問といわざるを得ません。

特に摂りたい水溶性食物繊維

食物繊維の中でも、腸内細菌が喜ぶのは「水溶性食物繊維」です。

水溶性食物繊維は、不溶性食物繊維に比べて分解しやすく、腸内細菌がエサとして利用しやすいからです。

野菜や果物の多くは、不溶性と水溶性両方の食物繊維を含んでいますが、特に水溶性食物繊維が豊富なのは、次のような食材になります。

  • 大麦
  • オーツ麦
  • ケール(青汁)
  • らっきょう
  • エシャロット
  • にんにく
  • ゴボウ
  • 切干大根
  • コンニャク
  • 海藻
  • 納豆
  • インゲン豆
  • 果物全般

麦ご飯にワカメの味噌汁、納豆、きんぴらゴボウ、ひじきの煮物。
長寿をもたらす腸を作ってくれるのは、こういった昔ながらの日本食なのです。

まとめ

まとめ

私たちが毎日摂る食べ物は腸で消化され、そして吸収された栄養で、私たちの体は作られています。
まさに、「健康は腸が作る」というわけです。

今回のテーマで肝心な点は、

  • 腸が良い状態であるためには、善玉菌だけでなく、様々な腸内細菌がバランスよくあることが必要である
  • アルツハイマー型認知症では、腸内細菌の種類の偏りが見られる
  • 多様な腸内細菌を育てるには、エサになる水溶性食物繊維の摂取が大切である

ということです。

現代人の食物繊維の摂取量は圧倒的に少なく、特に水溶性食物繊維の不足が指摘されています。

ヨーグルトに頼るだけでなく、まず毎日の食事に、水溶性食物繊維のメニューを一品プラスすることから始めてみませんか?

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