激しい動悸、窒息感、死の恐怖!誰もがなりうるパニック障害とは

激しい動悸、窒息感、死の恐怖!誰もがなりうるパニック障害とは

ストレス社会の現代に増える「心の病い」。
その一つに、「パニック障害」があります。

最近芸能人の方々がパニック障害であることを公表したことから、名前や症状はご存知の方も多いのではないでしょうか。

パニック障害の大きな特徴は、その激しい発作です。

突然、異様な不安と恐怖に襲われ、激しい動悸と全身の冷や汗とともに、呼吸も身体を動かすこともできなくなる…。

パニック障害は発作が辛いだけでなく、仕事や家庭、プライベートにもたらす支障にも深刻なものがあります。

しかし、パニック障害は決して珍しい病気ではなく、100人に2~3人の割合で発症しており、10人に1人は、一生に一度くらいはパニック発作を起こすとさえいわれています。

パニック障害の発症は20~30代、特に女性に多いといいます。
しかし、実際は年代、性別に関係なく、50代女性にもパニック障害は多発しているのです。

今日は、今や、誰がなってもおかしくないパニック障害とはどういう病気なのか、その症状と発症のメカニズム、効果的な治療法を詳しくお伝えしたいと思います。

パニック障害の症状と発症メカニズム

パニック障害は、病気自体は古くからあったものの、パニック障害という病名が使われ、診断基準が整ったのは、つい40年ほど前のことだそうです。

古くて新しい病気、パニック障害とは、一体どんな病気なのでしょうか。

パニック障害の症状

パニック障害は、身体的な病気ではなく、不安障害という精神的な病気の一つです。

ある日突然、次のような症状と共に発症します。

  • いいようのない不安感や恐怖感
  • 激しい動悸、呼吸困難(窒息感)
  • 冷や汗、めまい、手足の震え
  • 強い吐き気、口の渇き

発作は10分ほどでピークに達し、強烈な不安感から「このまま死んでしまうのでは」、「気が狂ってしまうのでは」という恐怖に襲われるといいます。

通常、発作は30分、長くても1時間ほどで治まりますが、ピーク時のたとえようもない恐怖感は、心筋梗塞のそれに匹敵するほどだそうです。

発作が治まっても、また起こるのではないかという不安(予期不安)を抱くようになり、予期不安がさらなる発作の引き金となります。
こうして発作を繰り返すうちに、パニック障害へと発展していくのです。

また、いつ発作が起こるか分からない不安から、逃げ場のない電車やバス、人混みが怖くなり、外出できなくなるケースも少なくありません。

因みに、窒息感から「過呼吸」を併発することがありますが、過呼吸は過呼吸症候群という心身症の一つであり、過呼吸がある=パニック障害というわけではないのです。

パニック障害のメカニズム

パニック障害の症状

激しい動悸や呼吸困難があることから、心臓や呼吸器の病気と思われがちですが、内科の検査ではたいてい異常なしと診断されてしまいます。

パニック障害は精神の病いであり、原因は脳にあるからです。

まだ完全な解明には至っていませんが、パニック障害は脳内の「ノルアドレナリン」と「セロトニン」のバランスが崩れることから起こると考えられています。

1. ノルアドレナリンの過剰

身体には、生存の危機に直面した時、それを察知して対処する仕組みがあります。

この仕組みの中で主役として働くのが、ノルアドレナリンという神経伝達物質。

ノルアドレナリンは、危険を察知した脳の指令により、副腎髄質や交感神経の細胞から分泌され、交感神経を刺激して、身体が危険に対処できるように働きます。

たとえば、筋肉や脳が迅速・適切に活動するために、心肺機能を高めて酸素の取り込みや血流を活発にし、これが動悸や呼吸困難、発汗に繋がることになります。

また、危険を知らせるために不安や恐怖、怒りといった感情を引き起こすのも、ノルアドレナリンです。

ノルアドレナリンの働きが異常に活発になっている状態、これがパニック障害なのです。

ではなぜ、ノルアドレナリンが過剰になるのでしょうか。

有力な説は、あるきっかけで、上記の危険を察知する仕組みに誤作動が起こるというもの。

そのため、危険な状態でもないのに交感神経が過剰に興奮し、ノルアドレナリンを必要以上に分泌させてしまうというのです。

誤作動を起こすきっかけとなるものとしては、次のようなものが挙げられます。

  • 過度な緊張
  • ストレス
  • 過労
  • 睡眠不足
  • 低血糖
  • タバコ(ニコチン)
  • コーヒー(カフェイン)
  • アルコール
  • 薬物(咳止め、経口避妊薬、覚醒剤)

意外なところでは、熱気や湿気、蛍光灯の光がきっかけになる場合や、リラックスした時に逆にパニック発作が誘発される場合もあるそうです。

また次のようなタイプの人は、もともと不安感が強かったりストレスを溜めやすく、パニック障害になりやすいといわれています。

  • ネガティブ思考
  • 完璧主義で細かいことが気になる
  • 頑張り屋で責任感が強い
  • 他人に気を使う
  • 人見知り
  • 高所、閉所恐怖症

2. セロトニンの不足

パニック障害には、セロトニン不足も関係しているといわれています。

セロトニンはノルアドレナリンを抑制する神経伝達物質で、興奮や不安感をもたらすノルアドレナリンとは逆に、心を安定させて満足感や幸福感をもたらします。

セロトニンが不足するとノルアドレナリンの量が増え、パニック発作に繋がるというわけです。

またセロトニンは、ノルアドレナリンが過剰になるほど消費されていくので、ますます不足することになります。

ではなぜセロトニンが不足するかというと、大きな原因は「慢性ストレス」と「過労」です。

ストレスが続く生活は常にノルアドレナリンが分泌され、セロトニンがどんどん減ってしまいます。

また過労は、疲れた時にできる「乳酸」がセロトニン不足を引き起こすといわれています。

乳酸にはセロトニンを吸収する作用があり、そのためセロトニンの量が減ってしまうのです。

現代人の多くが抱える、ストレスに過労。
慢性的なセロトニン不足に陥っている現代人にとって、パニック障害は他人事ではないのです。

3. 不安遺伝子

パニック障害のなりやすさには、遺伝子も関係しています。

実は日本人は、世界の中でも、不安になりやすい遺伝子を多く持っている人種だそうです。

その遺伝子とは、セロトニン・トランスポーター遺伝子というもの。

セロトニン・トランスポーターとは、セロトニンを取り込む働きをするたんぱく質のことで、この数が多いとセロトニンもたくさん維持することができます。

このセロトニン・トランスポーターの数を決めるのが、セロトニン・トランスポーター遺伝子で、大きく分けて次の2つのタイプがあります。

SS型…不安を感じやすい慎重な性格(セロトニン・トランスポーターが少ない)

LL型…不安を感じにくい楽観的な性格(セロトニン・トランスポーターが多い)

日本人は80%がSS型で、LL型はたったの3%なのだそうです。

つまり、日本人は遺伝子的にセロトニンの量が少なく、不安を感じやすくパニックを起こしやすい国民なのです。

パニック障害の治療法

パニック障害の治療法

パニック障害は、適切な治療をすることで治る病気です。

治療は、まず「薬物療法」で発作の症状を軽減・改善し、次に「認知行動療法」を併用するのが最も効果的とされています。
薬物療法+認知行動療法で95%の回復が見られるそうです。

薬物療法

主に使われるのが、抗うつ薬や抗不安薬です。

抗不安薬…興奮を抑える作用のあるGABAの働きを高め、発作を抑える
抗うつ薬…セロトニンを増やして不安を抑える

薬の服用期間は、一般に発作が起こらなくなるまで3~6ヶ月ほど要し、再発の可能性がなくなるまで、さらに数ヶ月~1年ほど続けることが奨められます。

薬は効き目に即効性があるので、発作時の頓服用として持ち歩くようにすれば、予期不安の緩和にもなります。

薬によって発作がなくなれば予期不安もなくなり、安心して通常の生活に戻ることもできるのです。

認知行動療法

生活の見直し

パニック障害を改善するには、生活の見直しも重要になります。

食事、運動、睡眠の「規則正しい生活」を心がけることでセロトニンを増やすと共に、「まめに身体を動かす」ことが大切です。

一般の病気は安静が大切ですが、パニック障害は逆です。
発作が辛いからといって何もせず寝ていると、発作のことばかり考えてしまい、かえって不安があおられて発作が誘因されてしまいます。

安静より、目の前のことに集中し、せっせと動きましょう。
発作のことを考える暇がないくらい、忙しい生活(もちろん疲労しない程度に)を心がけることが、パニック障害には効果的なのです。

まとめ(50代にも多発するパニック障害)

まとめ(50代にも多発するパニック障害)

50代の女性が悩まされる症状に「更年期障害」があります。

更年期障害の多くは、動悸、めまい、発汗といったパニック障害と似た症状を伴いますが、これはパニック障害の前段階といえるかもしれません。

実際に、女性の50代はパニック障害を発症することが多いのです。

なぜなら、50代という年代は、

  • 体力や健康に対する不安
  • 責任を負うべき存在(家族、親)が多いがゆえの不安
  • 老後に向けた経済的不安

など、若い頃と違って、抱える不安要素が格段に多くなるからです。

加えて仕事や家事、親の介護などが加わり、体力的、精神的にも余裕がなくなり、追い詰められてしまいがちなのが50代です。

特に真面目で頑張り屋さんの50代は、パニック障害を身近なものとして注意したいもの。

ぜひ、ストレスを発散できる楽観的なものの見方を、日頃から心がけるようにしましょう。

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